初秋の頃に、玄関ポーチの軒柱とバルコニーの手すりが傷んだので交換しました。どちらも無垢材で製作しているのですが、新築当時から納まりに少し問題があることが分かっていて、5年が経過してやはりダメになりました…。自分で交換することも考えたのですが、無理そうなので大工さんにお願いしました。


建築時の写真です。玄関ポーチはこのように作りましたが、90mm角の軒柱を受ける金物も90角のため、柱をつたう雨水などが柱受け金物の中に入ってしまいます。柱受け金物には水抜き穴は開いているのですが、軒柱が密着して水が抜けづらく、柱の根元が湿った状態になりやすくなってました。

そのため、菌なども繁殖しやすく、喰われてしまいました。柱をスギで作っていたのも傷みやすい原因です。

交換にあたり、柱受け金物の足の部分は水が貯まってしまうので、モルタルで埋めてしまいます。さらに、水が抜けやすくするため、軒柱が金物に密着しないよう、座金を敷いておきます。

さらに、軒柱を105mm角と一回り太くし、柱受け金物に覆い被さるようにして、金物内に雨水が入りににくくします。樹種もスギから腐食に強いヒノキに変更です。

まだ塗装していないので、軒柱はヒノキの色ままです。ヒノキで陽の当たる場所とはいえ、無塗装ではやはりきびしい面があるので、塗装しようと思っていますが、年末時点でまだやっていません…。


こちらも建築中(コーキング等の施工前)の写真ですが、バルコニー手すりをこのようにスギで作ってしまいました。写真奥のコーナー部は、屋根が無いにもかかわらず留めで納めたままです。普通は、この上にもう一つ笠木を載せるのですが、この時はそれをやめてしまいました…。そのため、雨がかかり、太陽光で乾燥収縮し、紫外線も浴び…を繰り返し、できた笠木の隙間から手すりが腐ってきてしまいました。

痛んだ手すりと支柱を取り外した時の様子です。支柱を固定していた金物は特に問題はありません。傷んでいない手すりの部材は、交換せずにそのまま利用します。バルコニー壁の汚れは、痛んだ支柱の塗装やたまった汚れが、大雨の際に流れてできたものですが、左官壁のため洗い流すことはできません…。

交換にあたっては、交換する支柱を金物に固定し、従来サイズの笠木でつないだ上に、もう少し幅の広い笠木を載せて下から固定します。これでビスなどの水がたまりやすい部分を隠す、本来の手すりの納まりになります。

交換が完了した状態です。こちらも塗装しますが、まだやっていません。

留めだった出隅は、このように欠くような組み方に変えて、支柱の上に載せて納めています。留めよりは木材の収縮で隙間ができにくく、さらに、上下の笠木で延ばす材の方向を変えて、手すりから支柱に水が侵入しにくくしています。

本年も、色々な方々にお世話になりました。ありがとうございましたm(__)m。
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