少し前、武蔵浦和にある「ヘルシーカフェのら」さん
https://www.facebook.com/healthycafenoraの、造付の棚のマスを増やすため、追加の棚板を製作しました。別な設計事務所さんによる内装設計なので、棚もオリジナルの製作モノです。全く同じは無理なので、ほぼ同じになるように材料や作り方を考えています。


棚は2×8材を接いで作られているのですが、バラツキの多い材料なので、サイズや板厚を適度に落として調整されているようでした。それに近くなるように、同じホワイトウッドの2×8材のサイズを調整してから、板の重さがかなりあるので10mm径のダボと接着材で接ぎます。私の道具の範囲ではビスケットジョイントは難しかったので…。

棚板は取り外せるようにするため、横板は桟木で、縦板は棚ダボを利用して棚にハマるようにします。なおかつ桟木や棚ダボは見えないようにするため、棚板の側面に、桟木やダボをはめるための溝をトリマで掘ります。この時に、後述の、棚板のストッパーや荷重負担などを考慮して、溝の位置や長さを決めています。

現地で仮組みして棚板のサイズを微調整した後、既存の棚と同じように塗装します。「BRIWAX」
http://www.thegallup.com/new/item/paint_wax/briwax/briwax.phpという、木材をアンティーク風に見せるための蜜ロウベースのワックスだそうです。現在はトルエンフリータイプが基本のようで、その中での濃い色ジャコビアンを塗装します。塗装は、スチールウールを使い、板表面の荒れをとり細かい部分までワックスが入り込むようにします。乾いた後に布で拭き上げると、元がホワイトウッドとは思えない板の表情になり、おさえめながらツヤも出てきます。


棚板を固定するための桟木を既存の棚に取付けますが、奥の壁は利用することができないので、両端の棚のみで棚板を支える必要があります。そのため追加する棚板が1.4mのスパンがあり、2×8材なのでほとんどたわまないとはいえ板厚が36mmありとても重いため、12mm×12mmのヒノキ材を接着した上に、ビスを多めにして固定しています。

この桟木に、棚板を写真のように前から差し込みます。溝の端部と桟木の端部がぶつかりストッパーのようになり、棚板が正しい前後位置で止まるように、溝と桟木を加工しています。普通は、この桟木と棚板を接着して固定棚とするのですが、今回は外して棚が大きいマスでも使えるように、接着はしないでおきます。それでも、棚板に重さがありシッカリはまっているので、動いたりすることはありません。

縦に仕切る棚板は荷重は受けないので、写真のように、ネジで取り外せるタイプの棚ダボを利用してはめています。棚板の上下に掘った溝をレールのように使い、左右には動かないようにしています。こちらも溝と前側の棚ダボでストッパーのようにし、棚板が正しい前後位置で止まるようにしています。

棚板を追加した完成形です。若干の色違いは、年月経過や塗装ワックスの微妙な仕様違いでやむを得ませんが、そう違和感なく納めることができました。何も置かれていない中央の6マスの部分が、元は大きい1マスでした。展示陳列するものが小物が多く、大きいマスでは使いづらいということでこのようにするそうです。この部分の棚板は外れるので、もし横長や大きなマスで使いたい場合は、それに対応することができます。
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