http://kurade.269g.net/article/19905875.htmlに、山梨県甲州市方面にノイエスタッフで行ってきたことは書いてますが、さくらんぼ農園以外でも「シャトーメルシャン」の「ワインミュージアム」
http://www.chateaumercian.com/places/winery/に寄ったりしています。


左の白い建物が「ワインギャラリー」で、ぶどう棚のあるとてもデザインされたテラス空間を挟んで向かいに、下記の「ワイン資料館」が建っています。ぶどう畑にあるような懐かしい醸造施設の雰囲気を想像してしまうのですが、「ワインギャラリー」はとてもモダンなシンプルな建物で、「ワイン資料館」は日本の伝統的な土壁の蔵づくりの外観です。
ちなみに、ぶどう棚の向こうに見えるのが「宮光園」
http://www.city.koshu.yamanashi.jp/shisei/shisetsu/detail/%E5%AE%AE%E5%85%89%E5%9C%92で、個人でワインを醸造していた住まいとのことで興味はあったのですが、この時は寄れませんでした。

「ワイン資料館」は、1904年から60年ほど使われたワイン醸造所だそうで、国内では2番目に古いものとのことです。屋根が高く平面形も大きく、昔の工場というような雰囲気です。長い腰屋根は、排熱と採光の役割をしていたと思われ、手前の下屋は、屋外環境からの緩衝的な役割をするスペースなのでしょうか。


「ワイン資料館」の中の空間構成は、とても興味深いです。地上レベルからは上下2層にスッキプしていて、階段を下りると半地下の貯蔵庫(現在もワイン貯蔵庫として使用中?)があり、階段を上がると展示室(当時の作業スペース?)があります。半地下の貯蔵庫は、一年を通じて温度の安定している地面に大半を接しています。また、天井と地面レベルとの間に、開閉式?の欄間のような通気スペースが確保されていて、暖かい空気や湿気がこの通気スペースを通して貯蔵庫外へ流れていくように思えます。そのため室温の安定している貯蔵庫は、暖かい季節にはひんやりとしました。冬の場合は、少し温かく感じるのではと思います。

一方、階段を上がった作業スペースの方は広く、間口が六間くらいありそうですが、柱は中央の一列しか立っていません。それを実現しているのは、小屋組のトラスとのことでしたが、その小屋組までは見に上がらず、ちょっと後悔しています…。その小屋裏を通して、腰屋根による棟の通気と採光を活用しているようです。


少し違いますが、気候に対応していく…という意味では、この広瀬園さんの、観光用のさくらんぼ畑を広く覆う、開閉式のビニルハウスの屋根が気になります。アーチ型のビニル屋根が連なるのですが、下には、写真のよな細いつなぎ材と、とても荷重を支えているとは思えない支柱が立つのみです。電動開閉式とのことですが、屋根部分はほぼビニルだけなので、軽量だと思うのですが、一方で少々の荒天にはなんともない…という構造の美しさ?がありそうです。
雨の多い日本なので、公園やキャンプ場の一部も、こんな感じに覆ってみたくなりますが、費用含め、そんな簡単に設置できるものではないんでしょうね…。
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