
1ヶ月ほど前になってしまいましたが、打合せの場所として訪れた川口市安行にある「木風堂(きっぷうどう)II きぐらし館」
http://www.kippudo.jp/です。外見は、普通の住宅のような感じですが、内装は、木材に関わる仕事をされているオーナーさんのこだわりで改装されており、その個々の部分にこだわった感じが現れていて独特な魅力があります。


入口の玄関の敷居をまたぐとたたきの土間です。「きぐらし館」の改装には、会津の古民家の部材を活用しているそうで、玄関の引戸やその脇の建具は、古民家の建具をきれいに直して再利用しているものかもしれません。少し手が掛かった建具の意匠が、いい雰囲気を演出してくれています。

その玄関を入って土間から正面を見上げると、吹抜けになっています。単純な吹抜けではなく、両側の各部屋が面することに加えて、正面に階段、上に2階の廊下が見え、吹抜けの天井も母屋と野地板(天井材)が見える勾配天井になっています。さらに意匠的に古民家の梁が渡っていて、薪ストーブの煙突も上り、照明も昔風のデザインの笠付きのものが付いています。シンプルな空間より、こういう様々な要素が詰まっている方が見るものが多く、私には楽しく感じます。

この「きぐらし館」は、全体がカルチャースペースとして貸し室のようになっています。玄関を入って左側には土間が続き、さらに縁側へと続きます。そこに広い和室があり、この時は食事をするスペースとして使っていました。我々もここで打合せをさせていただきました。和風の住宅というよりは、高級な旅館のような空間でとても落ち着いた感じで過ごせます。


「らんちカフェ木ぐらし」
http://kigurashi.wix.com/kigurashiが館内に併設されていて、食事やお茶ができます。そのスペースがこのような感じで、真ん中に一枚板の大テーブルが鎮座した板の間のスペースです。写真の左側に厨房スペースや販売棚があり、地元や見沼福祉会さんの授産品が置いてありました。

その中で、このどんぐりのちりめん細工ブローチを買ってきました。小さいものですが、とてもイイ感じです。


2階の貸しスペースの天井です。壁は珪藻土漆喰の左官壁で、下に掛かっている2本の大梁は、古民家の梁を意匠的に架けたものだと思います。その上の本当の梁や小屋組はきれいに磨かれていますが、垂木と野地板(天井板)はやり直していると思うので、新品ではなく何かの再生したものなのでしょうか。新しい屋根は、この上に新しく組まれているのだと思います。
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