2015年10月03日

【色々とみて】88_神奈川大横浜キャンパス29号館のLVLの軸組現しと内装仕上


s151003a.jpg 先月、神奈川大学横浜キャンパス29号館(国際センター)http://www.kanagawa-u.ac.jp/news/details_12900.htmlの引渡し前の完成見学会に行ってきました。大学時代から色々お世話になっている鈴木アトリエさんhttp://www008.upp.so-net.ne.jp/atelier555/が設計監理を担当しています。
 内部空間がメインの建物のため、外観は控え目な印象です。傾斜地にある変形角地の敷地に建つ、延べ面積800平米弱のRC造地下1階+木造1Fの大学施設とのことです。屋根の形状は分かりませんが笠をかぶったような軒?と、鋭角のコーナー部の木製サッシが特徴になっています。晴れ

s151003b.jpg 木造の1Fの内部はこのような、構造用LVL(単板積層材)http://www.key-tec.co.jp/の軸組を燃え代計算による現しで見せている大空間です。メインのラウンジスペースは、梁スパン10m、天井高4.2mもあります。LVLの壁柱は写真で少し色が濃く見える部分で、900×150mmの断面サイズがあり、梁はせいが450mmで大スパンを実現しているそうです。柱以外の壁部分は、LVLの積層面を見せるように現場加工して、それを透かして張った手間のかかったもので、表情や陰影が本物なのでいい感じです。
 個室空間は、右側の所長室のように、大空間の中に置かれた箱の感じで、大空間の天井は連続して見えています。その天井も、LVLの梁間に、壁と同じようにLVLの積層面を見せる仕上です。窓開口は、床から梁下までの縦スリットのようになっています。

s151003c.jpg 廊下のような空間も、壁や天井は大空間と同じ仕上になっており連続感があります。開口部枠より壁面の仕上の方の勝ちで納めているので、開口部がシンプルな凹みに見えて、壁面の表情がより引き立っている印象です。
 床に並ぶ丸いモノは、フロア空調システムの吹出し口です。OAフロアのような置き床のスペースをダクト的に利用する空調ですが、システムや床の構造などはとても単純な構成なもののようです。目

s151003f.jpg 内壁のLVL仕上は、このような感じです。写真はコンセントの所ですが、コンセントの取付け面からの厚さ分のLVLを、透かして張っているようです。床との取合いは、同じLVLを先付巾木のように納めているようで、左端にちょっと写っている巾木の無い部分が壁柱です。

s151003e.jpg 一方、個室の箱の壁は、LVL積層面が連続するかたまりのように見せる仕上です。これは、LVLの積層面を見せる集成板材を突き付けて張っているのですかね…。建具の枠も、壁面勝ちで納めているので箱感があり、上空の大空間の天井面との距離感と対比が、なかなか面白いです。るんるん

s151003d.jpg 建物の内部には、6m弱角の吹抜けが2ヶ所あります。採光や通風だけでなく、換気や排煙など?の要件をクリアするものだと思います。その開口部には木製サッシが使われていて、LVLの空間と組み合わさって親しみやすい雰囲気になっています。内部吹抜けとはいえ、公共的な施設の比較的大きな開口で、こういうサイズの木製サッシを製作して使うこともできるのですね。ひらめき

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posted by ki at 15:48| Comment(0) | 色々と見て
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