2016年09月28日
【ばり研通信】81_路上遊びや七輪がつくりだす「場」というもの
「ばり研」(=ノイエ)は、http://blog.goo.ne.jp/neue-blogです。
以下、「ばり研通信」185号(2016年5月末発行)の私の連載より、一部、修正して掲載してます。
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とりあえずいってみますかぁ♪ #81
* 路上遊びや七輪がつくりだす「場」というもの *
様々な人と出会って話したりすることで…と、話しにはよく出てきますが、実際に、知らない人と出会って話しをするようなリアルな「場」は、普段の日常にはなかなか無いように思います。街の中で、知らない人にも話しかける習慣?や、なんとなく人が溜まっている時間や「場」が、減っているからでしょうか。わざわざ申し込んで通うような「場」ではなく、普段の暮らしの中に、以前はそういう「場」があったんだなぁ…と思う機会があったので、少し書いてみようと思います。
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一つは、路地での遊びと路面の落書きです。大宮駅周辺で開催された「アートフルゆめまつり2016」の中で、「埼玉冒険遊び場づくり連絡会」さんと「ハンズオン埼玉」さんで企画した、「〜ラクガキタイム〜アートフル氷川参道編」という半日限定の路地遊びの空間で、スタッフというか遊ぶ人をしました。
イベントに来た人やたまたま通りすがりの人、その子どもたちなど様々な人が入り混じって、緩やかに流れる時間の中で、それぞれに遊んでいきます。昔の路地のような雰囲気は、とても良い空気感の「場」でした。誰かが仕切らなくても、立ち止まった人が遊びの話しをしていたり、初めて同士の子どもたちで対決していたりと、人の出会いってこういうものだよな…と感じます。
落書きは、チョークではなく昔ながらのろう石です。参道の敷石一枚一枚が、子どもたちが好き勝手に描くキャンバスになっていました。路上を移動する「動くこたつ」では、子どもたちがカルタなどしながら、ロープで引かれて動いて行くのを楽しんでいました。ベーゴマは、今どきの子どもたちには手強いですが、通りすがりの昔の子ども(=オジサン)たちが集まってきて、ひとしきり盛り上がっていました。氷川神社の参道という場所柄ですかね。
巨大オセロでは、子どもたちがけっこうマジに勝負していましたし、巨大将棋では、大人たちが真剣勝負でした。この不思議な光景に通りすがりの人が立ち止まり、この外野を含めて話しが広がるという「場」になっていました。どちらも、スタッフの方が断熱材で手作りした遊び道具ですが、こんなに人が立ち止まって話しをするきっかけになるのかと驚きです。他にも、丸く座ってひざで支える丸ダンボールのテーブルや、珍しいイス型の積み木が登場したり、モップで作った筆の水の落書きで、ろう石の落書きを消したりもしていました。
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もう一つは、七輪と美味しいもの(=ビール)です。武蔵浦和にある「BABAラボ」さんと「ヘルシーカフェのら」さんによる「しかてぶくろ縁づくり市」で、スタッフというか七輪で色々焼きながら、来ていた人や子どもたちと話す人をしていました。
店先の駐車場に七輪を並べて、地べたに座って、椎茸やネギやおにぎりを焼いたり、マシュマロやお煎餅を焼いてもらってりです。この様子がなんとなくユルい空間を創り出していて、来た人が立ち止まってみたくなる「場」になっていました。子どもたちにとっても、火遊びではないですが熱い炭があって、そこで自分でマシュマロを炙ったりするに惹かれるようです。
この市には毎回、七輪の店番をやるためだけ?にやってくる小学生の兄弟がいます。お兄ちゃんと話しながら、どうしてこの空間が好きなのか聞くと、「七輪やってみんな笑顔になるから」とのことでした。今どきは、大人よりも大変かもしれないので、彼らにとっても気持ちを緩める「場」なのかもです。大人たちのように、終わった後の打上げビールという「場」で、互いに話して自分を取り戻して…という訳にはいかないですしね。
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posted by ki at 13:19| Comment(0)
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