2018年08月14日

【日曜大工仕事】31_杉の表情を活かして細い枠の箱型の額を製作


 先月くらいから、額縁を製作していました。M10号サイズ(530x333mm)のキャンバスの日本画作品を収めるのですが、油彩と違い、作品の周囲にスペースをとった箱型の額が適しています。ですが、既製の箱型の額は、小物の立体作品向けが多く、大きなサイズはほぼ種類が限られてしまいます。そこで、作品を魅せるための控えめで素朴な額を、製作してみることにしました。

s180814a.jpg 自然を描いた日本画作品なので、ペンキや金属的な表情を避け、木で製作します。適度に節が有り、素朴な印象が良いのでスギ材を選択します。本来、スギは表情の柔らかさゆえ木自身も柔らかく、強度も比較的弱いので、細い枠を組むにはあまい向いていません。ですが今回は、表情を優先してチャレンジです。
 材は少量のため、ホームセンターで入手可能な寸法の材の組み合わせで製作します。内枠を14x30mmで組み、それに外枠の9x60mmの材を、接着+隠し釘で取り付けていきます。外枠は、厚が9mmなので、留めにはせず縦勝ちの納めにします。

s180814b.jpg 作品を固定する背板も、合板等ではなくスギにしたいので、9x180mmの材を3枚使い、14x30mmの縦桟を裏打ちして製作します。薄い板なので、時間と共に反ったり退けたりしますが、それを縦桟でなんとかすると考えます。

s180814c.jpg 枠は、外枠9x60mmの部分は、クリアのオイル塗装にして、スギの色と表情をそのまま見せます。

s180814d.jpg 内枠14x30mmの部分と背板は、墨色のオイル塗装をして、拭き取りで仕上げます。しっとり落ち着いた墨色に、スギの木目の表情が組み合わさり、とてイイ感じになります。ちなみにオイル塗装は、いつもの太田油脂さんの「匠の塗油」ohtaoilmill.co.jp/.../oiling です。背板の中央部は、作品の裏側になるのと塗装の作業性から、塗装は省略しています。

s180814e.jpg 背板の縦桟と枠は、ビスで留めたり外したりします。表面にはアクリル板をはめるのですが、見付9mmのスギの枠のように見せたいので、アクリル板は前から内枠の見付面へ強力両面テープで貼る方法にしてます。両面テープは黒色のものを使い、木の色の9mm枠とアクリル板が表面で、その内側は墨色と黒色というように見せます。写真は、両面テープの剥離紙がまだ付いた状態の時です。

s180814f.jpg アクリル板を貼るとこのような感じになり、前から見た状態は完成です。細い木の枠の額のように見えるでしょうか。アクリル板は厚3mmの押出し透明で、樹脂材加工屋さんに、必要な寸法にカットし切断面を処理してもらったものです。

s180814g.jpg 最後に、背板の縦桟にひも掛けの金具を取り付け、ひもを掛けます。額が大きいので、金具はしっかりとビスで留められる薄いタイプのものです。ひもは、伸びない丈夫な素材がいいのですが、適当なひもがなかなか見つからず、黒い極太のアクリルひもで当面いくことにしました。写真は、仮に掛けた細いアクリルひもです。
 背板に貼ってあるアルミテープは、板の継ぎ目の遮光のために貼っています。継ぎ目が単に突きつけているだけなので、そこから背面の光がもれてしまう可能性があるためです。アート

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posted by ki at 21:46| 日曜大工仕事など