2021年09月26日

【色々とみて】151_浅見俊哉さん「BODY PRINT ACTION 2021」と "space845"


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先週、写真家の浅見俊哉さんの「BODY PRINT ACTION 2021-気配を繋ぐ-」を見に、さいたま市岩槻区の端にある "space845" さんへ寄ってみました。広々として稲穂や青空や送電線を眺められる、なんともイイ場所です。

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"space845" さんは、元建設屋さんの事務所等として使われていた木造平家の建物で、しばらく使われていなかったそうです。その建物を、地域活動のスペースとして再利用を始めたところで、その一貫として企画された展示会とのことです。青い日光写真が掲げられた建物や空間は活き活きとしていて、元建設屋さんの様々な思いや遊び心が詰まった木の空間は、マニアック?でもあり、とても魅力的でした。

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台形に突き出たエントランスから、すでにイイ感じです。一枚ガラスの引違い戸と、その向かいの壁には、広い田んぼが見通せる大きな1枚窓が入っています。そこには、手の日光写真がワンポイントで飾られていました。

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中に入ると、ヒロシマの被爆樹の日光写真と、人の等身大の日光写真が掲げられた、広い元事務スペースです。吹き抜ける風に、大きな青い人影が揺れている様子がとてもイイです。正面(東面)に広がる田んぼを見渡せるように、窓サッシが開け放たれています。少し深めの軒下でも、大きな日光写真が風に揺れています。

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元事務スペースは、差掛屋根による採光があり、天井がとても高く(天井無しに近い状態?)明るい空間です。その光の中で、日光写真の落ち着いたキレイな青が、風合いのある木の空間にとても馴染んでいます。

その一画に、障子で区切られた畳敷きのスペースがあります。その上部には、昭和初期に製作されたという、寺院建築の立派な模型が飾られています。建物内には、このような各地の解体現場から引き取ってきた造作品や建具が使われており、見ていて楽しいです。

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この障子も現場から引き取ってきたものだそうです。外側は竪繁障子で、内側は横組子の各段全てがけんどんになっているという、明かるさや組子の影の意匠をアレンジできる凝ったものです。この障子が、吊木の無い1本物の鴨居で納められています。

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畳敷きのスペースには、このようなかつての人の記憶が、日光写真で表現されていました。神秘的でありながらも、青色と日差しによって、やさしいイメージになっています。

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奥の居住スペースにも、等身大の日光写真が飾られています。この青い人影が掲げられていることで、この空間に様々な人が居るかのように感じ、さらに、様々な人と繋がっていることも伝わってきます。

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そこに付けられていた床柱は、皮付のまま置いていたら、いい感じの虫食いになったという杉材でした。なんとも面白い表情です。

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ダイニングの天井もこのように高く、差掛屋根による採光があります。奥まった位置にもかかわらず、とても明るいです。薪ストーブが設置されているので、このように天井の高くても、冬でも建物全体が十分に暖かいそうです。

浅見俊哉さん
https://asa19821206.wixsite.com/shunya-asami
"space845"
https://space845.tumblr.com/

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posted by ki at 17:07| 色々と見て