
この住宅は、梁や小屋組などがほとんど現しになっています。これらの木軸組の構造材は、通常のプレカット加工のみのままでの仕上なので、プレカット特有の加工跡がそのまま残っています。普通は、壁や天井の裏側に隠れている木軸組を、そのまま現している状態に近いですが、軸組用の杉材は、現し用にグリーンスマイルさんhttp://kurashi-kinoie.cocolog-nifty.com/gogokinoie/が調達・乾燥してくださった、埼玉・東京あたりのとても良い人工乾燥材です。
住宅の空間全体で、木の表情や職人さん方々の仕事の雰囲気を、感じたりできるようにしているので、気にならないだけでなく、色々と見えて、考えたり楽しんだりできます。大工さんとしては、やや受け入れがたい考え方のようでしたが...。



省略したのには、前記の雰囲気作りに加えて、工期やコスト面の要因もあります。大工さんの手による手刻みであれば、プレカットのような加工跡は残らず、仕口もキッチリいくのですが、数時間のプレカットに比べ2,3ヶ月かかります。また、この住宅は木材量が多いため、木工事全体での工事費を抑えなくてはならないこともありました。
■整然と見える金物の安心感


一般的な羽子板ボルトとプレカットでも、それなりに見せるために、羽子板ボルトの向きを揃え、座金を向きの気にならない丸にしています。ただし金物の性質上、梁の両端の羽子板ボルトが同じ側にならないように、向きを揃えています。羽子板ボルトは、あえて?ごく普通の腰高タイプを使用しています。見慣れてくると、見えることによる安心感というもあるように感じます。
くらしデザインスタジオ@考(><)トップへ