■1×1のレールを取付けた箱


2ヶ月ほど前、大宮太陽の家さん
http://minuma-hukushi.com/shisetu/oomiya_taiyou/の作品収納ラックを、設計して製作もしました。利用者さんが描いた絵などを収納します。A1版サイズまでの大きさの絵を、人数分の24段に収納する大きなものです。幅と高さは背板の3×6判のサイズに合わせ、奥行きも640mmもあります。できるだけ費用を抑えるため、ローコストな構造と材料を用いて、製作も自前ですることになりました。左が、完成した様子です。プロの家具屋さんには遠く及ばないですが、費用の割にはそこそこだと思います。

作品のサイズが大小様々なので、固定棚では使いにくく、引出しにすると費用と手間がかかるので、簡易引出しのようなラック構造にします。ラワンランバーコアの側板にレール代わりとなる、1×1のSPFを貼り付けビス止めしていきます。この1×1も、出し入れがしやすいように端部を斜めカットしたり、奥にラック当たりを取付けたりしてあります。また、引出しのようにストッパーが付けられ無いので、1×1のレールを水平ではなく少し奥に向かって下がる角度で取付け、滑り落ちを防ぎます。

箱が組み上がったところです。側板のつなぎとなるつなぎ板もラワンランバーコアです。つなぎ板には垂直荷重がかからない前提の設計ですが、構造的に重要な側板との接合部は、受木を使い、ビスとボンドとさらにボルトまで併用して、ガッチリ固めます。背板はラワン合板を、かぶせでビスとボンドで固定しています。ラワンランバーコアの木口には、木口用の化粧テープを貼ります。
■1×1の骨格と合板による軽量パレット


24段のパレットは、ラワン合板を1×1のSPFで骨格補強して、四方に柵のように合板を立ち上げます。左は、骨格となる1x1のSPFと、立ち上げ用のカットした合板です。立ち上げ用の合板は、正面はシナ合板ですが、側面と背面はラワン合板にするローコスト仕様です。

A1サイズが納まるパレットは、このような構造です。底板のラワン合板の裏側に、1×1の骨格をビスとボンドを併用して取付け、その1×1に合板をビスとボンドで立ち上げます。左右の合板の高さが低いのは、レールのガイドも兼ねているためで、がたつかない程度で引き出しに支障無い遊びに設計しています。正面は、真ん中に引き出すための手を入れるスペースをあけているため、2つに分かれています。骨格と板材の組合せ構造のため、大きさのわりに軽量で、骨格部分の下面がフラットになるので、床に平に置くこともできます。

24コのパレットを製作し、レールにはめてみるとこんな感じになります。塗装はしていません。この後、可動テストや荷重テストをして、不良箇所がないことを確かめて納品となりました。ただ、大きいので、製作のスペースとしてはなんとかなりましたが、運搬にはレンタカーを借りなければでした...。一時検討した、二分割で製作するのもありだったかもです。
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