自身で車いすの調子がよく分からない方の、車いすの調整をしたりもします。この方は、こういう自走形の手動車いすは初めてで、ご本人も家族もまだ調整になかなか気が付かない感じでした。なので、数ヶ月は使い勝手を調整しながら、今もトイレ介助の時などに、常に調子を気にかけるようにしています。


この方は、ずっと介助用の車いすで、主に押されて生活していたため、この自走式の車いすが来た時も、介助用と同じような装備が付いていました。そこで、自分で車いすをこぐのにジャマになる泥よけを外したり、座位がとてもしっかりしているのに付けていたベルトを、外したりしています。ベルトがあると、身体を前に伸ばしたり、座り直したりもできず、トイレで立ち上がる時にも付け外しが本人でうまくできませんでした。
また、自走式の車いすは、あらゆる部分が調整できます。シート部分は、マジックテープとシートクッションの調整で、その方の姿勢がずれにくく、足が浮かないように、使っている中で調整していきます。


可動部分もあらゆる部分が調整できます。可動部分は、命を支える部分でもあるので、単純かつ力に対して強い形状になっており、部品もアルミの削り出しだったり、しっかり締まるよう六角穴ボルトが使われています。この軽量で剛性があることが、グニャグニャした介助用車いすとの大きな違いです。
写真は、座りがやや前が低そうだったので、前輪を少し上げて、座りを調整した時のものです。ちなみに、この方の前輪は、操作性や段差越えの技術から、大きめのウレタンノーパンクタイヤですね。

一方、後輪は、ロードバイクなどに使われる、細く空気圧の高いエアタイヤです。進む抵抗と地面からの衝撃を考えると、こういうエアタイヤがいいようです。ですが、丈夫なチューブが使われてるととはいえ、空気圧が下がってくると挟んでのパンクの心配があるので、まめに空気圧のチェックが必要です。バルブは、自動車やMTBと同じ米式なので、ガソリンスタンドでも入れられます。この時は、米式バルブに対応するノズルの付いた、タンク付き空気入れで、めいいっぱい入れました。
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