2013年03月09日
【建物を考える】木造軸組構造の引き寄せ金物イロイロ
木造住宅の軸組部材の柱や梁は、現在では、抜けにくいように金物で補足して引寄せます。http://home.kurade.net/article/61436065.htmlにあるアンカーボルトも、土台を固定するM12だけでなく、M16は土台を介さず柱を直接引き寄せます。
そのM16アンカーボルトに柱を引き寄せるのが、写真のようなホールダウンという金物です。写真は、私が使っているカナイさんhttp://www.kana-e.co.jp/の、シークホールダウンC-HD2535というビス留めタイプの認定金物で、引抜き力35kNまで対応します。3階建てなどで、引抜き力が大きい柱に使われます。
こちらは、20kNの引抜き力まで対応するシークホールダウンC-HD1520です。分かりやすい写真が無くて、柱頭側に付いているもので上向きです…。2階建て程度でかかる柱の引抜き力は、このぐらいの金物で対応できることが多いと思います。
ホールダウンの必要ない程度の引抜き力のかかる柱も、金物で土台と引き寄せて抜けにくいようにします。柱はほぞによって土台等に置かれているだけで、建物の荷重で抜けないように押さえていたものなので…。写真は、同じカナイさんのフリーダムコーナーF-C10で、告示1460号(へ)に該当します。写真は柱頭側ですが、柱脚側で床の剛床の上から留める場合は、床側のビスが長い床合板仕様になります。
さらに引抜き力の小さい柱には、カナイさんのスリムビルトコーナーで、告示1460号(は)に該当します。やはり、剛床には床合板仕様になります。
これらの柱頭柱脚金物には、各金物メーカーにいくつも種類があります。その中から、耐力や施工性、専用の構造ビスの種類や本数…など色々考えて、今は上のカナイさんの組合せを使っています。ホールダウン以外の金物は、種類を増やさないため、外柱でも内柱でも使える壁内側へ取付けるタイプにしています。
こちらは筋交いの端部に付く、筋交いを固定する金物です。筋交い金物は具体な金物を指定しませんが、最近は施工性からこういう柱と固定するタイプを、大工さんが使っていることが多いようです。ちなみに写真は、タナカさんhttp://www.tanakanet.jp/の2倍筋かい(リベロII)ですね。ただ、計算上梁への固定も必要な箇所には、柱と梁の両方に固定するタイプを指定します。
筋交いもサイズによって金物が違うので、筋交いと金物の種類を増やさないよう、45×90のシングルとダブルだけで構造のバランスをとるようにしています。
こちらは、梁などの横架材同士が、引き抜けないように引き寄せる羽子板ボルトという金物です。羽子板ボルトも様々種類があるので、普段は特に指定しないのですが、写真の時は、カナイさんのメルト羽子板ボルトにしてみました。溶接が無く、金物サイズや重量が小さいので使ってみたのですが、羽子板ボルトを見せるような納まりでなければ、メリットはコンパクトぐらいかなと。
アンカーボルトや羽子板ボルトのM12ボルトは、バネ座金を使ってナットで締めて固定します。木は乾燥によってやせるので、バネ付き座金でないと、当初ボルトを締めた時よりやせると、ナットが緩んでしまいます。最近は、もっとバネの長い座金も出てきてますが、そこまでは必要ないかなと思ってます。
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posted by ki at 22:05| Comment(0)
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