
外壁は、壁にかかった雨が、サッシや換気扇などの開口部などから外壁内へ侵入しないように施工がされます。敷地に余裕のある住宅では、軒の出を深くとって、外壁に当たる雨を減らすことができますが、敷地いっぱいの今どきの住宅では、外壁全面に雨があたります。また、開口部の上端は、壁をつたってきた水が入りやすい箇所で、霧除けなどを設置できるとよいのですが、予算の関係でなかなか設置できません…。
それでも防水テープ類が良くなっているので、開口部まわりからの雨水の浸入は少ないと思います。写真は外壁下地に面材がある場合ですが、サッシは下地に直接固定して、四周の固定箇所を防水テープで覆って留めてしまいます。以前のように、サッシまわりから入った水を、サッシの下から排出するのではなく、四周すべてで侵入を防ぐ考え方です。この防水テープは両面接着になっていて、このテープの上に透湿防水シート貼付け、隙間や留め穴の無い納めになります。

http://home.kurade.net/article/64888905.htmlのように、屋根は通気にする場合とそうでない場合がありますが、外壁は通気構法にすることがほとんどだと思います。住宅瑕疵担保責任保険の関係で、大抵の仕上材で必要になるだけでなく、外壁内にこもりがちな湿気が排出しやすくなるので、外壁の耐久性を高める効果があります。
写真の縦に取付けた木材の間のスペースが、通気層になります。そのサイズやピッチは、仕上や保険や防火などの、外壁の仕様規定でそれぞれのケースで決まってきます。湿気は通気層を上に上っていきますが、外壁仕上の内側にまで侵入した雨水は、この通気層を通って下へ落ちていきます。


その落ちていった水は、写真の外壁の下端から外へ排出されます。金属製のサイディング固定材が、胴縁に付いているので分かりづらいですが、透湿防水シートを下ってきた水は、下端に付いている水切の表面に出て、水切をつたって地面に落ちます。


一方、上っていった湿気は、壁の上端や軒先、屋根の棟などから排出されます。写真はサイディングの場合ですが、壁の上端に通気の出口となる穴の開いた部材を取付けています。私は、外壁の通気と屋根の通気は、何かの通気不具合の場合のリスク分散から、それぞれで別にする方がいいと思っています。
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