2013年10月13日
【建物を考える】石こうボードと壁に固定するための下地
住宅の内装下地は、石こうボードになることが多いです。クロス張りや左官仕上の下地には、伸縮の少ない石こうボードが必要ですし、外壁面は、防火構造等の関係で、内装側は石こうボードが必須になるケースがあります。ですが、石こうボードはビスが効かないため、荷重を受けるためには、ボードアンカー等を使用する必要があります。このアンカーも、石こうボードが脆いため、経年振動で徐々に緩んできてしまいます。
そのため、壁に取り付ける収納や設備等の固定のために、石こうボードを張る前に、壁に木材や合板で下地を入れておくことになります。最近は、胴縁を入れず柱や間柱に直接石こうボードを固定するため、下地は柱と間柱間に納めなくてはならず、筋交いを避けたり、断熱材を押し込んだりと、結構な手間がかかります。
これはトイレの下地の例です。手すりを取り付けるための合板が張られてますが、この時点では、手すりの形状が決まっていないので、縦でも横でも取り付けられるよう、このような範囲に合板を張ってます。
こちらは、いわゆるSKシンクを取り付けるための下地合板です。そのため、給水等の取出しや排水のVU管などもこの下地合板に仕込まれています。この上に石こうボードを挟んでシンクを取り付けるのですが、設備屋さんによっては石こうボードを介すことに不安に感じることもあるようです。
窓のまぐさの上に、カーテンレール等を取り付けるための下地木材が追加されています。カーテンレールの標準位置やレール取付け金物の形状から、まぐさだけではうまく留められないためです。
外壁の外面も、仕上材は荷重を受けないので、外壁面に取付けるもののための下地を入れます。構造用合板等の面材が張られる場合は、それを頼れるのですが、無い場合は下地木材が必要です。写真は下地面材があるので、荷重を受けるというより、通気層があるために、固定の際に仕上の金属面材が押しつぶされないようにするための下地胴縁です。通気を止めないために、両サイドの胴縁間に少し隙間をとってます。
こちらは大きめのひさしの下地角材です。ひさし等の場合は、雪が積もったりするため、面材では荷重を支えることができず、このようなしっかりした下地が必要になります。
壁下地の単純さだけを考えると、ビスが効く厚さの合板下地を全てに張って、内装はその合板に塗装仕上とかにしたくなりますが、その見た目で良しとはなかなかならないですよね。また、合板には石こうボードのような不燃性能が無いので、石こうボードを全く無しでいける条件も、限られていることもあります。
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posted by ki at 14:51| Comment(0)
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