2014年03月26日
【建物を考える】ガルバ角波3色乱張り・サッシアングルの納め・断熱材充填など
川口市の現場の外部仕上は、3色のガルバリウム鋼板の角波張りなのですが、その張り方は乱張りというパッチワークのような張り方をします。3色の選択は、各社のガルバリウム鋼板のカラーの中から、現物サンプルを取り寄せてお施主さんと悩みながら選んでいます。ご近所への迷惑にならないような色味で、色差の幅が大きくなりすぎず、でもパッチワークのように見えるよう、1色は多少反射のあるメタリックにし、残り2色はつや消しにしています。最後は、お施主さんが判断して下さったのですが、とても良いカラーの組合せです。
こうしてカラーを先に決めてから、その「月星GLカラー」鋼板http://products.nisshin-steel.co.jp/catalogue/coated/selios/index.shtmlで作れる角波を探します。角波の形状も、倉庫や工場で使われるような、凹凸のピッチの大きめのタイプを探して選び、その角波の働き幅700mmに合わせて乱張りを設計します。乱張りは、施工方法や角波の割付の効率などを考え、胴縁を@455mmで入れ、その胴縁位置で上下方向の角波を重ねて継ぎ、その継ぐ位置が横に並ばずにズレるようにします。さらに、角波の最大長は三尺に抑えながら、同じカラーが上下左右でできるだけ接しないように割付けます…。さすがに板金屋さんでは割付けを決められないので、私の方で、建物四面全ての角波を、1枚ずつのカラーや長さを表現した図面を描いてます…。
写真は、施工中の足場がある中で撮ったため分かりづらいので、足場が外れた後に、また全体を紹介しようと思います。
少し大きめのハイサイド窓は、指定しているYKKapの規格http://www.ykkap.co.jp/search/window/にサイズが無く、初めて使うLIXILの「サーモスII-S」http://www.lixil.co.jp/lineup/window_shutter/series/samos/です。ですがこのサッシ、標準アングルが写真の「ねじレスショートアングル」仕様なるもので、通常のアングル仕様の方がオプションでした…。見た目を重視しているサッシなので、専用の差し込むだけではまる窓枠を使うことで、ビス頭の無いシンプルなアングルになるようです。しかし、この専用の窓枠は使わないので、窓台の枠や張り回しになる下地石膏ボードを考えます…。
そのハイサイド窓の1つは、三方の枠は無しなので、天井仕上のパイン材の羽目板を、そのまま上枠のアングルに納めてます。天井羽目板のため、ひけて隙間ができると目立ってしまうので、アングルはしゃくらずに納めています。上記のような特殊なアングルのため、大工さんが見えない所の留め方を考えて、なんとかしてくれました…。
勾配天井部分の屋根断熱です。この工務店さんの標準仕様は、現場発泡ウレタンの吹込充填断熱なのですが、この住宅では、予算の関係から設計者による仕様になっています。屋根断熱は「スタイロエースII」http://www.dowkakoh.co.jp/product/styrofoam.htmlなのですが、どうしても端部に隙間ができてしまいます。そこを、大工さんが発泡ウレタン断熱を吹き込んでくれています。
そのウレタン吹き込みには、このような発泡ウレタンガンを使っていました。スプレータイプと違い、発泡やや噴出量を調整できるので、充填箇所に合わせて適切なウレタン充填ができるそうです。
床材は、ラフな感じが好きなお施主さんに探していただいた、ナラ無垢のユニフローリングです。無塗装の状態で張り、最後に養生を剥がした後でオイル塗布をします。無垢材ですが、工事中に急遽入れることになった温水式床暖房と組合せます。無垢材でも、乾燥がある程度きちんとされている固めの樹種であれば、床暖房の水温を60度程度以上にならないように調整して、床暖房の使用が可能です。ただし、床暖房使用時は、無垢材の乾燥によって板が縮むため、さね部分に数mmの隙間ができます。温水式の床暖房は、比較的長い時間運転して家全体の暖房としても期待するので、床暖房パネルは床の冷たい箇所をなるべく無くすよう、広めに敷きつめます。
この現場の若き棟梁は、大工育成塾http://www.daiku.or.jp/出身の(株)アンザイhttp://anzai.cc/の大工さんです。根っから造るのが好き?なとてもイイ方です。写真は、下がり天井と壁と梁と…の取合い部の納まりを、現場の材料を見ながら考えていた時です。
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posted by ki at 19:57| Comment(0)
| 建物進行中など
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