2020年03月05日

【色々とみて】141_門司港 "レトロ" と、迷える?まちづくりなど

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1月に 津奈木へ行った 帰りに、小倉や門司港に短時間ですが寄ってました。まずは、1年ほど前に、保存修復工事を終えた門司港駅 です。かつての繁栄を感じさせる見事な姿です。建築様式はよく分からないのですが、色々と混ざったような印象です。

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駅コンコースも、かつての雰囲気がイイ感じに再現されています。平面や天井高など空間スケールがとても大きく、かつては相当に混雑したのだろう、ということが想像されます。観光客程度の今となっては、ちょっとスケールが大きすぎて寂しいですが…。

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1階の待合スペース?には、スタバが入居してました。入口のスタバの看板も、こっそり脚がレールです。お茶はしなかったのですが、天井の高い中の雰囲気は贅沢感があります。店の真ん中にエレベーターがあって、ちょっと空間を阻害してるかな、思ったのですが、後から調べたら駅舎の2階へ行くためのエレベーターだったんですね。私はそれを知らず、2階へ行きそびれてしまいました…。

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終端型の駅ホームです。とても広く長く、今でもホーム上に何も置いてないので、なお広く長く感じます。このホームをあふれるくらいの人が、かつては乗降していたのでしょうね。ホームの屋根は、黒く塗装したレールと木下地で組まれています。

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門司港駅前の駅前広場は、広いですが噴水があるくらいで、駅前広場の周囲も、"門司郵船ビル" があるくらいです。かつての改修で平面的な外観になったそうですが、キレイに維持されてますし、なんとかしよう感はあります。普通にテナントオフィスビルとして使われているようです。

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その、駅との反対側の港側に、"旧大阪商船" が建ってます。こちらは、良い雰囲気がそのまま残っています。1階道路沿いのピロティ的な空間が面白いですが、現在は区切って使われている感じです。現在は、デザイン関係のギャラリーなどに使われているようです。

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その隣に、"旧門司三井倶楽部" が建っています。こちらは「ハーフティンバー様式と呼ばれるヨーロッパ伝統の木造建築工法」で建てられた建物だそうです。ディテールを見てると、和洋折衷という感じで、左右非対称のなんとなく落ち着かない動きのある意匠が、もしかしたら、周りの左右対称の伝統的な建物との対比だったのかな、と想像したら、谷町から移築されてきたモノでしたか。現在は、レストランと展示ギャラリーで使われているようです。
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上の本館の裏側に、木造平屋の附属屋が建っています。かつて、管理人などの住居として使用されていたそうです。オリジナルの配置は分からないですが、この場所でこの建物・構成は、なかなかの違和感ですね…。

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親水公園側から港内越しに、上記の "旧大阪商船" や "旧門司三井倶楽部" の方を見ています。左の "海峡プラザ" から右の "プレミアホテル" まで含めて、まちづくりの迷える感?をかなり感じます。移築して並べていくと、どうしても、現実の街よりテーマパーク感が強くなりますよね…。

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港内の東側突端に建つ "旧門司税関" です。港内側の両端部が凸になっていて、2階建でも格式を感じさせる雰囲気があります。説明を読むと、かなり荒廃した状態だった建物を復元修復したそうですが、そのことは全く感じられずすごいです。中には入りませんでしたが、飲食店のほかに、市民向けの休憩室や展示室があるようです。

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その傍らに、「門司守」というアートオブジェが立っていました。いい感じのプロポーションです。"守" というので海を見るこちらが正面かと思ったのですが、海をバックに撮った方がよかったですね…。

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その奥側に、"大連友好記念館""門司港レトロハイマート" が建っています。"大連友好記念館" は、2年前まで "市立国際友好記念図書館" として使われてきた1995年築の建物で、大連にあった建物をそのまま再現した建物だそうです。"門司港レトロハイマート" は、黒川紀章さん設計による31階建の超高層マンションです。景観に関して色々あった建物ですが、良くも悪くもシンボルではあります。ほぼ同時期に建築された2つの建物ですが、この関係と存在が、まちづくりとしての難しさと迷える感を表現しているように感じます。

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北九州港の門司港地区の東港?に、巨大な台船「FLOAT RAISER (フロートレイザー)」が泊まってました。調べると、約100m×40mの広さで、5,000tまで積込みできるようです。4つのスパッド部?は高さは15mくらいあり、甲板面から7.4mまで沈降できるそうです。浮体式洋上風力発電なんて、どこでやってるのだろうと思ったら、北九州市沖で実証運転 が行われているんですね…。目

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posted by ki at 15:32| 色々と見て

2020年02月28日

【色々とみて】140_熊本県津奈木町のアートと温泉と建物など


先月、大平由香理さんの作品展「海鳴り」を観に、熊本県の津奈木町へ行ってました。展示のあった "つなぎ美術館" 以外も、少し観てまわってました。

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上は、アートプロジェクト「つなぎの根っこ」の、津奈木駅の駅舎内にあるのサイン?です。屋外の作品は、年月を経てだいぶ傷んでしまっていますが、駅舎内は比較的良い状態で観ることができました。

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駅舎の床には、このような感じに、大きい生き物?のような作品があります。写真より、実物はもっとハッキリ見えて、いい感じの雰囲気を醸し出しています。人が歩く地面なので、ある程度で無くなっていくことが前提なのかと思いますが、また違う「根っこ」が製作できたらいいのかな、と感じます。

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駅にいたら、ちょうど、肥薩おれんじ鉄道の「くまモンラッピング列車3号」がやって来ました。見れると楽しいですが、黒と赤の "くまモン" 色?バージョンは、ちょっと地味ですね…。

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「達仏」も観に寄りましたが、私は苦手な空間でした…。

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その近くに、大量の木材が積まれていました。ズラっとこれだけの本数が並んでいると、都会育ちの私にはとても壮観です。調べると、中山リサイクル産業 という会社の "グリーンパーク津奈木" という施設で、主に木質チップの製造をしているようです。

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"つなぎ温泉四季彩" にも寄って、温泉に入って温まり、お昼ご飯に、太刀魚のお刺身を美味しく食べてきました。建物全景は撮り忘れましたが、写真の、小さな専用モノレールで上がった上に露天風呂があるそうです。小心者なので、露天風呂には行きませんでしたが…。

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表の建物から温泉へは、写真の、岩山をくり抜いたというトンネルを抜けていきます。照明もイイ感じで、温泉への高揚感が高まりますが、抜けた先の温泉お風呂は、至って普通な建物でした…。でも、お湯は良いです。

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その隣に、突然と、ひと昔前的なモダンな建築がありました。"物産館グリーンゲイト"という物産店「つなぎ百貨店」の建物で、調べると、「くまもとアートポリス・プロジェクト」の一つのようです。設計は、北山孝二郎(K計画事務所)さんだそうで、言われてみるとなるほどという感じです。1992年の竣工ですが、2年前にリニューアル されたばかりだったようで、とてもキレイでした。

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津奈木といえば、八代海に沈む美しい夕日が有名なのですが、私が訪れた日は曇天で、夕方の赤崎展望台からの眺めも残念でした。大平さんが製作していた "旧平国小学校" など海沿いもグルっとまわったのですが、天草も霞んであまり見えない日でした…。モバQ

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posted by ki at 17:45| 色々と見て

2020年02月20日

【色々とみて】139_宮代町コミュニティセンター「進修館」の不思議な空間


こちらも、昨年末に訪れた、宮代町の コミュニティセンター「進修館」です。1980年に、象設計集団 の設計によって建築された施設で、2000年に化粧なおしがされています。今年の1月に40周年を迎え、設計者などを交えてシンポジウムが行われたようです。建物に関しては、簡単には説明できないので、「進修館について」を参照してください。

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東武動物公園駅から歩いてくと、こういう感じで現れてきます。冬は樹木が落葉していて、建物の全景がわりとよく見える時期でもあるようです。建物のことを知らずに初めて来たら、目立った看板も無く、これがコミュニティ施設とは思えないでしょう。私も久しぶりの2回目ですが、建物の中に入っていくにはなんとなく勇気が要ります。

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一部だけですが、少し見てまわりました。庭から建物を見ると、色々と立っていたり、穴が空いていたり、段々があったりするのがよく分かります。本当に、空間の構成やインスピレーション的な部分に基づいて、設計されているのを実感できます。庭からは1階は見えず、穴へ潜っていくようなアプローチです。

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庭を丸く囲む段スロープの端部です。建物の一部が、土地に同化し始めてるような印象で、独特な雰囲気を感じるつなぎの空間です。維持管理は大変そうですが、良い雰囲気が感じられるよう保たれていると感じます。

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2階の "コロネード" で、庭の外側に丸く延びています。コンクリートのアーチが、高さ・尖り気味のR・ピッチ・カーブ具合と、どれも印象強い組み合わせになっている感じです。ここは、化粧なおしの際の "ブドウ色"?がとても効果的に感じます。

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こちらは1階の回廊です。こちらはちょっと怖いです。壁・天井の白色と先が見えない不安感からでしょうか。1階の壁・天井は、当初から打放しではなく白色の塗装だったみたいですね。

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"光路" と呼ばれる吹抜けアトリウムです。上記の、少し暗い廊下を抜けてくると、この明るい光路が横切っているので、より印象的です。この柱・梁的な凹凸が、とても細かいピッチなのは意匠的なものなのですかね。ツルッとした壁面より、影の表情のある凹凸という感じでしょうか。

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"大ホール" も不思議な空間です。四角くも丸くもないですし、360度見る方法で、ホールの雰囲気が違います。写真の左からつながるひな壇席、カーテン閉まってますが外が見える窓のある壁、どちらも平面的にはカーブしています。天井のクロスの天井梁も見えています。写真の、わらじの会のクリスマス会 で行ったのですが、個性的な面々に全く負けない空間です。

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個々のパーツも見ていて飽きません。扉の、魚の鯉?をモチーフにして手押し部です。写真は、大ホールの出入口ですが、とてもキレイなので、ある程度作り直されたりしてるのでしょうか。扉の方は木製建て具のままで、維持管理で難しい面が多いと思いますが、素通しガラスの入った雰囲気が、可能であれば維持されるといいなと思ったりです。

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床のあちこちに埋め込まれている、ぶどうのタイルです。青紫色はとれてしまってますが、凹凸がかなりあるのでイイ感じです。奥の木製ベンチも、オリジナルデザインのものなのでしょうか。高さもちゃんと高低ありますね。

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今どきなので、エレベーターが付いてました。2008年頃に設置されたようですね。エレベーター用に新しく仕切られた壁?は、床タイルに近い青紫色のようです。この先、もしバリアフリー改修がさらに進むとなった時に、黄色い誘導ブロックはどうするか、その時に誤認しそうな床タイルはどうするか…など、すでに、この建物の各所での "合理的な配慮" が議論されているのかなと思ったりです。

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余談ですが、東武動物公園駅の西口は、道路は整備されたものの、まだ駅前には何も無いんですね…。東武鉄道としては主要駅の一つですが、春日部よりも北となると、なかなか厳しいのでしょうね。目

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posted by ki at 16:22| 色々と見て

2020年02月17日

【色々とみて】138_「ダイヤゲート池袋」の "ダイヤデッキ" へ


色々見に寄ったネタが溜まってしまったので、アップしていきます。昨年の12月に、「ダイヤゲート池袋」の "ダイヤデッキ" に寄ってみました。

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池袋駅の南側、西武池袋線の線路敷の上に跨って建つオフィスビルです。明治通りから角を曲がって行くと、上の写真のように角がそびえ立っています。私のiPhoneでは、全景は納まりません…。

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特徴ある建物の外観は、意外に細い鉄骨そのままでつくられているようです。"ブレース構造" とネットなどに表記されているので、揺れ止めではありつつも、基本骨格はS造なので、意匠的な側面の方が大きいのでしょう。意匠の特徴である「ダイヤ」は、列車の運行計画の「ダイヤグラム」からきてるそうです。

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個性的な建物の見た目とは違って、"ダイヤデッキ" は西側の線路側に開けた、とても落ち着いた構成の空間です。上空に、大きなオフィスビルが載っている…という感覚もあまり感じません。日当たりもいいので、平日でも、デッキで時間を過ごしている方が結構いました。

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デッキから、JR池袋駅方面を見ています。開けていて気持ち良いです。埼京線や山手線もよく見えますが、電車を観察するには、ちょっと遠いですかね。

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デッキ南端から、下を通る西武線がこんな感じで見えます。

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デッキ西側の地上から見上げた様子です。RC造の地上構造部?の上に、斜めのSRC造の柱?が立っているような構造でしょうか。デッキは、その斜めの柱と、構造、意匠、管理のいずれからも?、できるだけ縁を切るように設計されているように見えます。デッキは、豊島区に「池袋駅東西連絡(東西デッキ)通路整備基本構想」があるので、一部は、豊島区管理の公共用の通路?になるなど、あるのでしょうか。

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そのデッキの、将来の池袋駅東西連絡通路方向への延長部分です。写真から2ヶ月経っているので、少し変わっているかもしれません。「ダイヤゲート池袋」は西武ホールディングス等の本社でもあるので、西武池袋線の池袋駅から直接アクセスできるようになると思います。

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線路レベルから見ると、線路の上空は、まさに土木構造物のままです。池袋駅を出てすぐのトンネル的な空間なので、ここは何かしら演出されるとイイですよね。電車

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posted by ki at 20:15| 色々と見て

2020年02月02日

【建物進行中など】41_川本園さんがつくる桧の集成材とその作業の工夫


先週、約10年ぶりに、深谷市にある "川本園" さんに行ってました。テーブルや什器の製作打合せと、施設内の案内をしていただきました。打合せでは、他では無い、節有の材による集成材の話しもしてました。木の表情は節があった方が良いと私は思うのですが、今でもまだ、節はマイナスイメージなようですね…。

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製品の部材となる桧集成材を、"川本園" さんでは丸太からつくっています。丸太は、製材して乾燥させるので、製材機も木材乾燥機もあります。

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乾燥させた木材を集成材用に切断し、節や傷みなどから使えない部分を選別マークして切り落とします。

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その切断部分をフィンガージョイントに加工して接着し、必要な長さの材にして、四面プレーナー加工します。それらを複数本並べて接着して磨けば、集成材の板になります。

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この集成材の板を切り出して、各製品に加工・組立てしていき、オイル塗装をして完成になります。

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案内していただいた時は、これら作業のほぼ全てを、メンバーさん方々だけで淡々と進めていて、それが当たり前の空気感になっていてイイ感じでした。メンバーさんが、作業をしやすくしたり間違えないようにするための、治具やアイデアが各所にあり、私は、加工の様子を見ているだけでも、全然飽きず楽しめます。

ライン加工などではなく、メンバーさん手作業や手操作で加工が進んでいくので、懐かしいゆったりした感じも良いです。が、抱えているバックオーダーの量と納期を聞くと、私ではビビってしまいそうです…。でも、依頼者と製造する方との双方で、やれる形にしていく関係ができているのかなと感じます。約40年続けてきていることは、やはりスゴいのですよね。家

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posted by ki at 21:32| 建物進行中など

2020年01月26日

【色々とみて】137_つなぎ美術館「大平由香理展 海鳴り」へ


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津奈木町のつなぎ美術館で「大平由香理展 海鳴り」を観てきました。大胆な構図に、その土地の砂や、ワークショップでの町の方の作品などを取り込んで、手数を掛けて描き込まれた作品はとてもイイです。大作の「つなぐ」は、窓から見える岩山とのつながりからも、当然のようにそこに掲げられるべき存在として魅せてくれます。

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エネルギー感で迫ってくる作品と違って、今回は、「夕練」や「たそがれ時」のように、じわじわと感じてくる作品もありました。黄金色やあかね色の一つの色味で、一見は静かですが、だんだんと観えてくる、押しというか影みたいな表現が、ずっしりと描き込まれているように感じます。この「夕練」や、海の表情の変化を描いた「流転」は、砂の粒や和紙のしわを感じるのが良く、斜め横から撮りたくなりました。

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「しらぬいの海」は、なんとも不思議な姿です。町の人たちが暮らしている日常の海が、実は大きくうねるようなエネルギーを産み出し、宙に浮いて、どこへでも向かっていける力を秘めている、という感じでしょうか。作品の上に並ぶオブジェクトは、町の人たちと作家さんが製作した陶器などです。

大平由香理さん は、「アーティスト・イン・レジデンスつなぎ2019」として約4ヶ月間、津奈木町に滞在して制作されていたそうです。制作に対するスタンスやプロセスも魅力があるので、その制作中も訪れたかったのですが、実現せず残念でした…。アート

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posted by ki at 17:45| 色々と見て

2020年01月01日

【お知らせ】2020年も、よろしくお願いいたします。


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 いい 〜♪、と っとてるだけも ありですよね。

 いろいろ探して広げてみたり 試してみたりは大事です。
 様々な人との暮らしや 可能性の広さを感じられるので。
 ダメと言われることや 先に決められてたりが多いですが、
 自分で考え、自分を広げる時間を 大切にできたらいいなと。

 まずは、いいね〜♪と、言ってみるといいのかなと。
 そのままをみている中で、いいね〜♪を見つけたときは、
 その人のことを しっかり感じられてる気がします。
 こんな一緒を過ごしていくと、互いが平らにいられそうです。

 今年もあちこち、よろしくお願いいたします。アート

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posted by ki at 14:12| お知らせ

2019年12月08日

【建物進行中など】40_さいたま国際芸術祭2020 "旧大宮図書館" のバリアを考えるWS


10月から11月末にかけて、「さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクト・先行プログラム」+ 芝浦工業大学環境システム学科 3年生の演習授業で、芸術祭の会場となる "旧大宮図書館" の段差・バリアのことを、車イス利用の方と学生さんと一緒に考えるワークショップを、少し手伝っていました。

"旧大宮図書館" の会場では、来年1月25日から、芸術祭の先行プログラムの一つとして、「デコッパ!大展覧会2020」を "クッキープロジェクト" さんが開催します。「いろんな人・コトが、"まぜこぜ" になって暮らす社会を目指す」 "クッキープロジェクト" さんが、「ボーダレスにアートを楽しむ為の旧大宮図書館・大・冒・険!」というワークショップを企画・開催することもあってです。昨日の会は参加できなかったのですが、以前に参加した2回の様子を、少し載せておこうと思います。

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"旧大宮図書館" は、メインエントランスを入ってすぐの所で、このような8段の階段で1階が二分されています。

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上から見るとこのような感じで、誘導ブロックや注意喚起のステッカーなどはありますが、スロープやエレベーターはありません。車いす利用の方などが、ここの段差の上り下りをどうするのかが、大きなポイントです。

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壁に掲げてある平面図です。その8段高い部分(=中1階)は、地下ホールの天井高をかせぐための段差のようです。

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現状で、車いす利用の方が中1階に行くためには、エントランスから建物の屋外に出てバックヤードにまわり、屋外の急スロープを経由しないと、中1階に来ることはできません。このスロープも、搬入用のため勾配がきつく、屋根なども無いため、悪天候の場合は実質使えないルートです。

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それでも、中1階まで行ければ、バックヤード用のエレベーターにアクセスできます。しかし、この搬入エレベーターは、箱のサイズがとても小さく、標準サイズ程度までの手動車いすの方が、ギリギリ1人乗れるサイズです。電動車いす利用の方や、大きめサイズの車いす利用の方は乗ることができません。

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なので、搬入エレベーターに乗れない方が、どうやって2階と3階に行くかも、大きなポイントです。ワークショップでは、エレベーターに乗れないHさんが、中1階で、乗れない気持ちなどを学生さんと話していたようです。

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元々の2階へのメインのアプローチは、エントランス正面にあるこの直階段です。今となっては、公共施設の階段としてはかなり急勾配な方で、手すりも実用的ではありません。階段によって、エリアや動線を区分していた時代の建物であることを実感しますね。

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3階は、平面の半分が2階上の屋上になっており、この屋上も芸術祭の会場になっています。ここのアクセスにも、L字型の8段の階段があります。屋上は防水の関係でなんらかの段差は必要ですが、ここは、床スラブのレベル自体が切り替わってます。

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手動車いすの方を持ち上げて、屋上までの上げ下ろしもしてみました。幅が狭く曲がっているので、本当にギリギリです。そこがなんとかなれば、このような広い屋上空間を堪能できます。

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地下には、このようなステージと固定座席のある小ホールがあります。地下も、客席側とステージ側の2つの床レベルがあります。客席側は階段によるアクセスのみで、ステージ側は搬入エレベーターが着床するものの、客席側へは行けません。

車いす利用の方が搬入エレベーターを降りてくると、写真のようにステージに出てしまいます。そこで、ステージと客席との間にスロープ板を渡して、ステージを経由して客席へ行くルートも前提にするそうです。一部の固定座席も外して、車いす利用の方の観覧や転回のスペースとするようです。

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さらに、このホールは、床全体が斜めに仕上げられており、水平部分がありません。そのため、客席とホール外周の来客通路との間にも、様々な段差があります。こういうところでも、稼働座席の無かった時代の小ホール…感じたりです。

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エントランス脇には、逆に貴重な古い "車いす対応トイレ" がありました。11月に改修され、現在は最新式のユニバーサル対応のトイレになっています。

改修前の便器は、私も実物は見たことが無かったタイプなので調べてみると、まだ特定の施設向けに、このタイプのいわゆる「バリアフリー便器」は、製品としてあるようです。介助者が付く重度の人向けで、両肢で挟んで(足を床に着けて?)前後どちらでも座れ、細長い形状から介助の人の手が入る、というモノのようです。しかし、車いす利用の人にとっては、色々思い出しても、今では使える人は思い当たらないです…。

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先月の2回目の時は、"旧大宮図書館" 館内をRPGにしてまわりながら、バリアを考えるワークショップでした。

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少し身体の大きい方と一緒だったのですが、ドア1つを通るのでも、なにかとギリギリの建物です。

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この時は、建物の外へ少し出かけるプログラムも用意されていて、私のいたグループは、"氷川だんご屋" まで行き「あげまんじゅう」を買ってきました。どうするか考える前に、しばしバリアのことは忘れて、揚げたてを美味しくいただきました。目

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posted by ki at 20:35| 建物進行中など

2019年10月17日

【光と風と素材の家_メンテ】72_サッシハンドルの緩み調整と換気ファンのメンテなど


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少し前に、縦すべり出し窓のサッシハンドルが、緩んでガタつくようになったので調整してました。緩んでも外れることは無く、閉めてる時はガタつかないのでそのままでも大丈夫ですが、一応、外して原因など探ってました。

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ちなみに、サッシのハンドルを交換部品として取り寄せると2,000円ほどで、取り付けもビス2本で枠に留めてあるだけなので、交換は簡単です。

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緩んだ原因は、右に置いてある、回転部品の間に挟んであった樹脂製ワッシャーの劣化脱落でした。ということは今後、他の縦すべり出し窓でも起こるということですが、同じハンドル付きのサッシが18コもあります…。転用できそうな汎用の樹脂ワッシャーを探しますが、無さそうなので、ワッシャーの代わりになる部品の自作を考えます。

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色々試した結果、写真のような形状にプラ板をカットして、隙間に押し込むのができそうです。ワッシャー厚は約0.8mmですが、その厚みのPETプラ板は無かったので、片方を0.5mm厚、もう片方を1.0mm厚にしていけそうです。

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プラ板が透明なので分かりにくいですが、ハンドル回転軸の左右両側に強引に押し込んで、ハンドルの緩みは無くなりました。あとは、PETプラ板の耐摩耗性がどれくらいもつかは、今後の様子見です…。目

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同じ頃に、1階トイレのパイプファンで、回っていても、室内に戻ってくる空気流が多いことに気付きました。

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羽根を外して風道を覗くと、たっぷりホコリが溜まってました。こんな感じのかたまりで、4つくらいをかき出しました。本来パイプファンは、風圧力が小さいので、外壁面に設置して風道は壁厚程度までのものです。ですがここは、外まで60cmほどの距離があるため、外まで押し出されないホコリがたまりやすくなってます。

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これで風道内がスッキリして、戻ってくる空気流も少なくなりました。台風

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もう一つ換気扇ネタで、9月の台風15号とその翌日の激しい3回の雷雨時に、レンジフードファンの排気口から雨水が入り込んで来ました。排気口に面と向かって、相当に強い風雨が吹き付ける時は仕方ないのですが…。レンジ排気口のウェザーカバーは、排熱効率から浅めのタイプが基本で、排気ダクトは外壁汚れ防止のため内下がりの勾配で設計しますので。

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雨水が入り込んでも、レンジがIHの場合は水を拭き取れば済むのですが、ガスの場合は水が乾くまで使えなくなるので、あらかじめカバーなど対策が必要になります。雨

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posted by ki at 21:33| 風.光.素材の家_アイデア

2019年09月23日

【色々とみて】136_LVLと動きのある空間の住宅と「ねこじゃらし公園」など


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少し前に、芝浦工業大学の先生をしてる友人の設計による住宅の、見学会へ行ってみました。住宅の平面の真ん中を、LVL(単板積層材)の存在感と表情のある壁が斜めに横断しています。ですが、空間は明確に分かれるわけではなく、緩やかにつながっていて、単純な壁の面の広がりは、かえって広さを感じてイイです。

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断面でも同じ斜めの勾配の天井・屋根が合わさり、床のレベル差も組み合わせた、とても動きのある空間です。この中に居ると、私はなんだかアクティブな気持ちにさせてもらえます。

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階段や壁面の書棚は、見える部分はとてもシンプルに、かつ、サイズ的にギリギリの細さや薄さで納めていました。

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外観は、筒状に張り出した2階部分が特徴的です。この形状に、無機的な表情と色のガルバリウム鋼板をまとっています。撮った時は、筒状部分の窓の外付ブラインドが閉まってしたので、こういう表情になりました。家

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その時に、少し通った 九品仏浄真寺 の参道です。背の高い松が、上空に覆いかぶさるようにそびえているのが不思議な感じです。浄真寺には、都指定天然記念物のイチョウとカヤの大木があるそうですが、この日は寄ってみるのを忘れてしまいました…。

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世田谷区の「ねこじゃらし公園」にも寄ってみました。「区民の要望からワークショップ形式による本格的な住民参加の方法でつくりあげられた公園」と、"玉川まちづくりハウス" さんのサイト にあります。その結果、都内では珍しい "草っ原" の公園が実現したとのことです。その "草っ原" 感は、夏を過ぎた時期でもあり、とても見事でした。写真は載せてませんが、ドーム型?の公園のトイレも、緑に覆われて何だか分からない雰囲気になっていてイイです。

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この "草っ原" を維持管理するために「グループねこじゃらし」という住民組織ができ、25年に渡り活動を続けているそうで、すごいと思ってしまいます。自分たちの生活の場、という意識が、その地域に対してしっかりあるということなんですよね。かつての九品仏池や、暗渠になっている九品仏川のイメージもあってか、このような水遊びできる流れが造られています。

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そのまま、九品仏川緑道を歩いて自由が丘駅へ向かいました。暗渠上の緑道ですが、とても緑が多く、舗装も上等な印象の暗渠です。

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途中には、こんなアーチ状の花と緑のトンネルもありました。晴れ

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posted by ki at 22:17| 色々と見て