2018年08月30日

【色々とみて】127_埼玉会館の小ホール棟と、手刻み軸組を見せていただいて


s180830a.jpg 1ヶ月ほど前になってしまいましたが、少し載せておきます。上は、前川國男氏が設計した"埼玉会館" saf.or.jp/.../about/ の小ホール棟ですが、県庁通り側とは反対側の裏道から見た様子です。小ホール棟がこんな尖った形状なのは知らなかったのですが、見事な尖りのプロポーションです。
 昨年まで大規模改修が行われており、外観はオリジナルをできるだけ維持補修されたそうなので、よりきれいに見えるようです。これまで、手前には旧県立図書館が建っていたので、この角度から小ホール棟を見ることはできませんでした。それが解体され更地になり、次の建物が建つまでは眺めることができそうです。

s180830b.jpg せっかくなので近づいて、小幅板型枠のコンクリート打放しも見てみます。型枠の板サイズが思ったよりとても小さく、タイルくらいの大きさです。縦に木口?の目地のようなデザインが通してあり、これらが板目のばらつきと合わさって、オリジナリティが高くとても良い表情になっています。しかし、型枠にはとても手間がかかっていそうで、どう詳細設計や監理をしたのかが気になってしまいます…。目

- - - - - - - - - -
s180830c.jpg こちらは、以前お世話になった大工さんが、プレカットでなくご自身で手刻みされた、木造在来軸組構法の住宅の現場を見させていただける、とのことで少し寄らせていただきました。私は最近、新築現場から遠のいておりますが、現場は、知らない色々なコトに出会え、雰囲気も好きなので、つい長く居たくなってしまいます。

s180830d.jpg 組み上げる前に塗装されている化粧の梁が、とても立派です。その梁の左側に見える継手は、"尻ばさみ継ぎ"というそうで、"金輪継ぎ"より側面が意匠的きれいになるのだそうです。その梁より上に見えている屋根の野地板は、長期の耐久性を考慮して、一般的な耐水合板ではなく、杉の荒板にしているそうです。

s180830e.jpg 現場で"込み栓"を2本、勉強用に?いただいてきました。継手だけでなく、一部の柱の頭脚部にも、長ほぞ+込み栓で引き寄せ固定をしていました。樫の木で、サイズは五分(約15mm)角、長さは五寸(約150mm)より少し短いくらいです。樫は拍子木にも使うの木なので、2本で音を出すと硬く高いイイ音がします。

s180830f.jpg 現場を見させていただいたアンザイさん anzai.cc とその大工さん、ありがとうございました。このような現場のできる仕事に出会えるよう、私はガンバラねば…です。家

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 18:07| 色々と見て

2018年08月14日

【日曜大工仕事】31_杉の表情を活かして細い枠の箱型の額を製作


 先月くらいから、額縁を製作していました。M10号サイズ(530x333mm)のキャンバスの日本画作品を収めるのですが、油彩と違い、作品の周囲にスペースをとった箱型の額が適しています。ですが、既製の箱型の額は、小物の立体作品向けが多く、大きなサイズはほぼ種類が限られてしまいます。そこで、作品を魅せるための控えめで素朴な額を、製作してみることにしました。

s180814a.jpg 自然を描いた日本画作品なので、ペンキや金属的な表情を避け、木で製作します。適度に節が有り、素朴な印象が良いのでスギ材を選択します。本来、スギは表情の柔らかさゆえ木自身も柔らかく、強度も比較的弱いので、細い枠を組むにはあまい向いていません。ですが今回は、表情を優先してチャレンジです。
 材は少量のため、ホームセンターで入手可能な寸法の材の組み合わせで製作します。内枠を14x30mmで組み、それに外枠の9x60mmの材を、接着+隠し釘で取り付けていきます。外枠は、厚が9mmなので、留めにはせず縦勝ちの納めにします。

s180814b.jpg 作品を固定する背板も、合板等ではなくスギにしたいので、9x180mmの材を3枚使い、14x30mmの縦桟を裏打ちして製作します。薄い板なので、時間と共に反ったり退けたりしますが、それを縦桟でなんとかすると考えます。

s180814c.jpg 枠は、外枠9x60mmの部分は、クリアのオイル塗装にして、スギの色と表情をそのまま見せます。

s180814d.jpg 内枠14x30mmの部分と背板は、墨色のオイル塗装をして、拭き取りで仕上げます。しっとり落ち着いた墨色に、スギの木目の表情が組み合わさり、とてイイ感じになります。ちなみにオイル塗装は、いつもの太田油脂さんの「匠の塗油」ohtaoilmill.co.jp/.../oiling です。背板の中央部は、作品の裏側になるのと塗装の作業性から、塗装は省略しています。

s180814e.jpg 背板の縦桟と枠は、ビスで留めたり外したりします。表面にはアクリル板をはめるのですが、見付9mmのスギの枠のように見せたいので、アクリル板は前から内枠の見付面へ強力両面テープで貼る方法にしてます。両面テープは黒色のものを使い、木の色の9mm枠とアクリル板が表面で、その内側は墨色と黒色というように見せます。写真は、両面テープの剥離紙がまだ付いた状態の時です。

s180814f.jpg アクリル板を貼るとこのような感じになり、前から見た状態は完成です。細い木の枠の額のように見えるでしょうか。アクリル板は厚3mmの押出し透明で、樹脂材加工屋さんに、必要な寸法にカットし切断面を処理してもらったものです。

s180814g.jpg 最後に、背板の縦桟にひも掛けの金具を取り付け、ひもを掛けます。額が大きいので、金具はしっかりとビスで留められる薄いタイプのものです。ひもは、伸びない丈夫な素材がいいのですが、適当なひもがなかなか見つからず、黒い極太のアクリルひもで当面いくことにしました。写真は、仮に掛けた細いアクリルひもです。
 背板に貼ってあるアルミテープは、板の継ぎ目の遮光のために貼っています。継ぎ目が単に突きつけているだけなので、そこから背面の光がもれてしまう可能性があるためです。アート

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 21:46| 日曜大工仕事など

2018年07月28日

【色々とみて】126_"工房集"の展示・アトリエと「ブラジル先住民の椅子」展


s180728a.jpg 展示会ネタが続きます…。先週、川口市にある"みぬま福祉会" kobo-syu.com の"工房集"さんで開催されている「ポップ・クリエイティブ・ライフ展」kobo-syu.com/.../4122/ へ寄ってきました。
 "工房集"さんは「…福祉の現場にギャラリーがある福祉施設であり、アトリエ、ショップ、作品展中はカフェにもなるという色々な機能を兼ね備え…」、"工房集(KOBO-SYU)"は「…メンバーの表現活動を社会につなげるプロジェクト…」とのことです。
 建物の内外装にも、メンバーのアーティストさんたちによって様々に描かれていて、建物ができた後も、どう使ってどういう空間にしていくのか、考えているようです。写真には撮れませんでしたが…。

s180728b.jpg アーティストさんの作品は、以前から他の展示会で観たりしていましたが、"工房集"さんへは初めて訪れました。展示会の作品はとてもイイのですが、それ以上に、アトリエとそこで創作しているアーティストさんの空気感も、とても良かったです。ずっといて自分も創作してみたくなります。
 カラフルで細やかな作画や、キッチリした形の表現、超々立体的な油絵、他にも繊細な彩りのさをりや超ロングな手編み物などなど、想像よりずっと表現の幅が広く、その表現力や完成度が高く、とても感動でした。

s180728c.jpg 少しアトリエの雰囲気を撮らせていただきました。下の写真は、左にチビた色鉛筆が大量に入った缶、右に筆先に油絵の具の大玉ができた筆…と、画材や道具にも目がいってしまいます。

s180728d.jpg 平日に寄れたので、アーティストさんやスタッフの方など、色々とお話しもさせていただき、ありがとうございました。


- - - - - - - - - -
s180728e.jpg こちらは、「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」展 teien-art-museum.ne.jp/...benchesofthebrazilian.html を観に、東京都庭園美術館 teien-art-museum.ne.jp へも行ってみました。
 聖なる動物の姿を造形した伝統的な椅子で、千年以上前から現在において作り続けられているそうです。我々でいうところの、寺社の仏具などに相当するのかもしれません。とても良い姿の椅子がいくつもあり、興味深くかつ楽しめます。当然ながら、展示のみで座ることはできませんが…。椅子というか、我々でいうところの"スツール"のような椅子のイメージを、大いに広げてくれます。
 つい、ショップで"珈琲人形 積込"なるものを買ってしまいました。人形として、とても可愛くよくできているのですが、人形のデザインからは、差別と強制労働の表現がテーマのように思います。

s180728f.jpg 東京都庭園美術館は、リニューアルされたからは初めて行きました。建物のアールデコ装飾が元々魅力的で、それがより綺麗になっただけでなく、現代の照明が付加されて明るくなり、よく見えるようになりました。展示会よりは、建物と装飾を見に来ている感じの外国の方もいました。

s180728g.jpg 一方、増築された新館は、現代アート風の美術館らしい白い空間で、そこに使われているウネウネした大きなガラスが、私は好きでした。

 しかし美術館としては、アールデコ装飾の印象が強いので、今回のような時代や文化の重ならない展示では、互いに主張し合うみたいな印象になり、椅子があまり見えてこないです…。といって、新館の真っ白い空間も、民俗的なモノは拒絶されているように見えてしまいます…。もっと土着的な?空間で、椅子の展示があったらより良かったのですかね。

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 19:35| 色々と見て

2018年07月10日

【色々とみて】125_森川里緒奈さん作品展「〜りおなさんの青〜」と"comeya"


s180710a.jpg 先月、森川里緒奈さんの作品展「〜りおなさんの青〜」を観に、東松山方面へ行ってきました。タイポグラフィ展「いろいろなできごと」開催の"かうんと5" facebook.com/npo.count5/ の"まちこうばGROOVIN'"さんと、ドローイング展「走る走る東上線」開催の"comeya"さん comeya.wixsite.com/comeya の2ヶ所です。両展示とも、今週末の7/14(土)までの開催で、"comeya"さんは土曜日のみのOPENです。

s180710b.jpg 森川里緒奈さんの作品は、一文字・一線の書き込みのバランスや精度がとても高く、その集合として全体の雰囲気や魅力が生まれていると感じます。一つ一つの描きに、同じように気持ちが込められているという感じでしょうか。
 とても好きな感じの表現で、私は特に、上の写真の、窓台に置かれている作品のような、最近のタイポグラフィの文字とその詰まり具合が好きでした。森川里緒奈さんは"プロッキー" mpuni.co.jp/.../prockey.html の"青"が好きとのことで、作品にもとても合っていると感じます。これだけキッチリ描いても、キレイに色が発色する"プロッキー"もあなどれません。

s180710c.jpg スタッフの方にお話しを伺うと、タイポグラフィの文字にはテーマのようなものがあるそうで、それが作品タイトルや解説に少しでもなると、作品が見た目だけでなく、"できごと"の広がりあるものに感じられそうです。目

s180710d.jpg その後に寄った東松山駅近くの"comeya"さんです。ドローイング展「走る走る東上線」の1枚1枚違う青い線がたくさん展示されているだけでなく、作品から生地をプリントして、バッグや包みボタンなどを製作されていました。
 店主の方とお話しさせていただくと、"comeya"さんは、ギャラリー以外にも様々なことされてるのが分かり、とても興味深い場所でした。そもそも土曜の午後のみOPENなのは、都内でデザイナーをされている店主さんが、週末にご実家のある東松山へ戻られているから、とのことでした。

s180710e.jpg 元々お米屋さんだったご実家のことから、"comeya"を始めるに至るストーリーが、"まちの出版室 comeya books"として発行されている冊子「こめやのはなし」に書かれています。この"comeya books"は、「東松山に住む人々の暮らし、人生を聞き書き…」された冊子で、現在7冊ほど発行されているそうです。
 その「Vol.01 まちと家とかぞくのはなし 東松山駅前通り堀家の80年」も購入してきました。"瀟洒な"邸宅が道路整備で無くなってしまうのが惜しく、聞き書きで残そうと思いたたれたそうで、とても丁寧に載せられた写真や言葉など、とてもイイです。東松山の学校などで、読んでみるといいのではと思ったりです。
 他にも、"まちライブラリー" machi-library.org として本棚を置き、本をきっかけにつながりをつくる場でもあったり、"土日舎"という時間貸の"まちのフリースペース"もあります。

s180710f.jpg さらに、その入口の階段にパンが並べられていのに気付き聞くと、"ブロンジェリー風の杜"さん kazenomori.livedoor.biz の自然酵母パンの販売場所にもなっているそうです。パン好きなので、そのパンのセットも買ってきまして、自然酵母の生地はとても美味しく、フルーツなど入ったパンはなお美味しかったです。るんるん

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 16:46| 色々と見て

2018年06月27日

【光と風と素材の家_メンテ】67_在来浴室のタイル目地割れと補修作業


 浴室のタイル目地が割れてきたので、補修したりしてました。近頃では珍しい在来浴室で、10年前の建築時に、自分自身の勉強と実験を兼ねて、ユニットバスにしなかったモノで、(→”05_在来浴室でシンプルに使いやすくする”)などに書いています。

s180627a.jpgs180627b.jpg
 床はRC造の上にモルタルですが、壁の木造合板下地が経年で退け、その取合いなどで目地割れしてしまったようです。下地の防水層は、床壁一体で丈夫なタイプなので切れることはないと思いますが、割れの中からカビないように、割れ目からの不要な侵水は避けるために補修します。

s180627d.jpg 補修目地材は、写真右の"ヘンケル DTM-500"という、500gに小分けされた目地材を使用します。左の"セメダイン バスコークN"は、取り合い部なので今後も季節で動くと思うので、コーキングで補修することも考えましたが、割れを埋める程度にとどめることにし、目地材にします。
 目地割れは4ヶ所ほど、合わせても長さ2mくらいなので、DTM-500は1/5程度で十分です。なので材料費は100円ほどです。

s180627c.jpg 割れた目地部分の、補修に支障する目地をマイナスドライバーで削り取り、刷毛や掃除機を使って清掃します。

s180627e.jpg タイルが補修作業後の清掃がしにくいタイプのため、床壁ともマスキングします。ちなみに床は、滑りにくいように表面がツルツルしていないタイルで、壁は小さな凹凸がデザインされたモザイクタイルです。
 マスキングテープは、コーキング用の余りを使ったのですが、表面コートで全く目地材がつかないため、剥がす時に目地材が散ってしまい、余計な掃除が増えてしまいました…。
 目地材は、ダマにならないよう十分に練って使います。塗り込むヘラも、コーキング用の少し硬めの細い樹脂製を使ったので、塗った表面はスムーズにはなりにくく、最後に少し濡らした指で軽くなぞってみたりしています。

s180627f.jpg 作業自体はすぐに終わります。ですが、固まるまでは粉状にとれてしまうので、水がかからないよう乾燥させます。説明書上は24時間ですが、お風呂に入らないわけにはいかないので、目地補修作業は、前日の湿気が乾いた朝イチで作業して、その日の夜の入浴はなるべく水がかからないように入り、浴室の床壁の掃除は2日後から…ということにしてやっています。
 問題なく目地は補修できましたが、プロのタイル屋さんが作業した目地と比べると、やはり少しザラザラ凸凹してしまいます。いい気分(温泉)

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 18:05| 風.光.素材の家_アイデア

2018年06月16日

【色々とみて】124_「林芙美子記念館」の和風と間取りや空間の設え


 先月、新宿区にある「林芙美子記念館」regasu-shinjuku.or.jp/.../fumiko/ へ寄ってみました。実家から結構近い所にあるのですが、記念館の存在を知ったのは最近になってからでした…。以下は、「林芙美子記念館図録」(公財)新宿未来想像財団発行、を参考に、一部引用させていただいています。

s180616a.jpg 1941年に山口文象氏の設計で建てらたとのことですが、いわゆる"モダニズム"ではなく和風の邸宅です。林芙美子さんの言葉に「大工は一等のひとを選びたいと思つた。」とあり、木造の和風住宅好きには見どころ満載です。建物の中に入ることはできませんが、建具が開け放たれているので、外からまわって見るだけでも十分に堪能できます。全体の造作は落ち着いた印象で、建物だけでなく庭の樹木も併せて、絵になる部分がたくさんあります。
 右が"主家(生活棟)"、左が"離れ(アトリエ)"で、建築当時の規模制限により二棟に分けて建築し、後から土間でつないだそうです。「… 東西南北風の吹き抜ける家と云うのが私の家に対する最も重要な信念であつた。…」との言葉の通り、間取りや空間の作り方・つながりなど、とても丁寧に考えてあるのが印象的で、開口部や建具の設えに見入ってしまいます。

s180616b.jpg 主家の"茶の間"と"広縁"です。庭に面した隅部をいかして四尺五寸の"広縁"になっており、"茶の間"との一体感があり、とても開放感があります。ガラス戸のガラス面積も広く、桟も縦に入れて視界の妨げを抑えています。

s180616c.jpg その"広縁"の天井と軒天は、伝統和風の設えで同じ連続した意匠です。"茶の間"から"広縁"と"軒下"を経て"庭"へという、和風の段階的な半屋外空間の魅力を感じて、とてもいいです。

s180616d.jpg 一家団らん場だった"茶の間"は、六畳ひと間の落ち着いた広さと意匠の空間です。

s180616e.jpg 主にお母さんのための部屋だった"小間"です。"茶の間"の横で、庭へせり出した四畳半の空間で、流れの長い屋根による軒の深さと、アクセントの越屋根が印象的です。

s180616f.jpg "小間"の室内はコンパクトで、座る高さに合わせた低い窓と、網代の天井が特徴です。他にもうひと間、一番広い八畳の和室"客間"があり、よくある洋間のような装飾的な要素は無く、"茶の間"や"小間"と同じような設えなのも特徴的です。

s180616g.jpg "玄関"はとてもよく考えられています。写真にはうまく納まっていませんが、広い土間から右側の一段高い"取次の間"からは、"客間"と、主家の動線である"廊下"の2ヶ所へ直接つながっています。左の土間奥の口は、前記の"茶の間"と"小間"の間の"広縁"へ直接つながっており、玄関からは実質4つの入口があります。

s180616h.jpg 主家の広縁の前から"離れ(アトリエ棟)"を見ています。結果的にできたこの二棟の間の"中庭"は、「… 生活の場である主家と … 仕事の場である離れとの間に、快適な距離が生まれ …」「… 家人は庭下駄をはいて行き来 …」とのことで、両棟とも腰掛けるような場所もあり、縁のような路地のような空間だったのかなと想像します。

s180616i.jpg その"中庭"を"土間"からのぞき見ています。"離れ"の建物とモミジ?の表情で、とても良い景色になっています。

s180616j.jpg "離れ"の北側にある"たたき"で、北側にありますが縁側のような出入口です。廊下を介して"寝室"と"書斎"と"アトリエ"にアクセスできます。写真は、その一つ"書斎"の出入口ですが、元は納戸として造られたとのことで、"にじり口"のように建具高が四尺五寸?の小さいままなのが面白いです。
 この"書斎"は、南側も軒の深い土庇、左右は"寝室"と"アトリエ"の壁に挟まれた六畳で、この建物の中で唯一の囲まれ感のある空間になっていたことで、納戸から転用されたのでしょうかね。

s180616k.jpg どれぐらいが当時のものかは分からないのですが、照明などの器具類も魅力的なものがあります。写真は、"アトリエ"の照明でいい雰囲気です。写真は撮れないのですが、"アトリエ"は、北側の壁の窓と天窓で広く自然採光を得ていて、とても明るい空間です。家

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 18:37| 色々と見て

2018年06月02日

【デザインする】13_"名刺"を"リーフレット"にもなるよう改良してみる


s180602.jpg "名刺"を、"リーフレット"のようにもなるよう、改良してみました。両面印刷にして、パタパタとたたんだり広げたりできます。仕事探しに再度力を入れよう…ということで、1回の名刺交換でなるべく多く情報をお渡して、さらに、名刺なので手元に持っておいていただける確率が上がるのでは…と期待してです。

 (→”【デザインする】名刺のデザインをいろいろ考えてみる”)以来、細かな調整程度で、6年ほど同じデザインの名刺を使っています。一方で、リーフレットを一時試作したこともあるのですが、わざわざ別にお渡しするにもかかわらず、ウェブサイトと比べると圧倒的に情報量が少なく、あちこち配るには至りませんでした。ということで、リーフレット程度の情報なら名刺と一体化できるのでは、という考えに今回至りました。

 どのような感じなるのか、まだ試行中の状況なので、自宅事務所のプリンターで印刷して手作業でカットと折りをする…という手作りです。なかなか面白いので、もう少し中身を改良していけばいいかなと感じますが、手作りしている間は、けっこう手間はかかります…。

 "リーフレット"の現時点でのテーマは、ウチの"ねこ"たちを多少営業の頼りにしつつ、"住む方の暮らし方の実現をサポートして"、建築家のような"価値観の押し付けはいたしません"、というスタンスを、しっかり書いておくようにしています。

 すでに、つながりそうな方々にはお渡しさせていただいて、珍しがっていただいています。ただ、普通の名刺の4,5枚分の厚さを名刺ケース内で占拠するので、どう持っていただけるはまだ未知です…。ダイヤ

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 18:14| デザインする

2018年05月21日

【色々とみて】123_吉屋信子記念館の近代的数寄屋と鎌倉文学館の折衷感


s180521a.jpg 先月ですが、鎌倉方面へ行くことがあったので、建物に興味のあった「鎌倉市吉屋信子記念館」city.kamakura.kanagawa.jp/.../yoshiya-koukai.html に寄ってみました。作家の吉屋信子さんの、生前最後の住まいとのことで、「『自分の得たものは社会に還元し、住居は記念館のような形で残してほしい』という故吉屋信子さんの遺志により、土地・建物などが鎌倉市に寄贈され … 市民の学習施設・吉屋信子記念館として開館 …」されたとのことです。文学には全く疎いので、吉屋信子さんのことは、記念館を訪ねて初めて知りました…。

s180521b.jpg 立派な雰囲気のある門をくぐり、両側を緑に覆われた長めアプローチを抜けると、建物が見えてきます。直線的なアプローチは、ちょっとクランクしていたり、建物は、主に特徴ある玄関部分の半分だけが見えてきたりと、その到達を感じさせるような演出がいいです。建築家の吉田五十八氏の設計で、1962年に改修された建物だそうです。

s180521c.jpg 建物内に入ると、天井にとても特徴があり、上ばかり見てしまいます。ですが空間は、モダンな雰囲気のある、落ち着いた気持ち良い広さに創り直されていて、少し驚きます。「…和風の意匠である数寄屋建築を独自に近代化した建築家…」と ja.wikipedia.org/wiki/吉田五十八 にもあるように、今ならば、なるほどという感じですが、50年以上前の改修当時は相当斬新だったのではないでしょうか。
 網目の大きい"網代風"に張られた天井は、改修前の縁側だったと思われる低い部分を段差にせず、"斜め"に連続した天井として納めているのが斬新です。

s180521d.jpg 応接室と食堂は、現代のLDKのように一体になって建物の南北を貫いていて、南面の庭だけでなく、北面の裏庭にも掃出窓で面しています。南面の開口は4枚引きでありながらとても広いことも併せて、とても明るい空間になっています。この広さや奥行きに比べて天井が低いあたりで、この建物が改修によることを感じたりします。

s180521e.jpg 和室の縁側との間の鴨居には吊束が無く、一応?鋼材1本で吊られているという、和風とは思えないとてもシンプルな納まりです。この鋼材も、もしかしたら後から入れたものなのかも、と思ったりです。

s180521f.jpg 書斎は北向きですが、天井採光があり、壁面収納になった広い壁面のシンプルな空間で、とても明るいです。窓の目の前には藤棚が造られています。目
- - - - -
s180521g.jpg せっかくなので、近くの「鎌倉文学館」http://www.kamakurabungaku.com/ にも寄ってみます。こちらは、スケールの大きな上り坂のアプローチを進んでいきます。途中にあるトンネルというかくぐるアーチが、ベタですけどなかなか楽しいです。

s180521h.jpg 建物の外観は、和洋と南方風?の折衷の不思議な感じですが、ディーテルは手間がかかっていそうです。文学館ですが絵本館のような位置づけが似合いそうです。建物は、1936年に洋風に全面改築されたとのことですが、立地や庭園などを考えると、東京の「旧古河庭園」tokyo-park.or.jp/.../index034.html の洋館を少し意識したのかな…と思ったりしてました。

s180521i.jpg 車寄せのある玄関も、様々な意匠要素の組み合わさった独特な雰囲気です。館内は撮影できませんが、建築当時の雰囲気が残っている展示室もいい感じです。しかし、展示物が盛りだくさんなので、当然ながら建物よりは展示がメインです。いつも思うのですが、建物や空間も見せたい場合は、著作権の絡む展示物と空間を分けた方がいいと思うのですがね…。あせあせ(飛び散る汗)

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 22:25| 色々と見て

2018年05月09日

【色々とみて】122_肥後細川庭園・松聲閣と文京の湯「銭湯GALLERY」展


(→”121_江戸川公園から胸突坂や関口芭蕉庵あたりを歩く”)の続きです。

s180509a.jpg 再び「胸突坂」を下って神田川沿いを歩き、「肥後細川庭園」http://parks.prfj.or.jp/higo-hosokawa/ へ寄ってみます。大きな池を中心に、台地の斜面の緑地を組み合わせた広い庭園です。これまで歩いてきた神田川沿いや「胸突坂」の空間スケールが小さかったので、この「肥後細川庭園」に入ると急に開けた感じになり、空間スケールも比較で大きいので、どうしても少し殺風景に感じていまいます。でも、もっと花が咲き木々が生い繁る季節になると、印象が違うのかもしれません。

s180509b.jpg 「肥後細川庭園」内に「松聲閣」http://parks.prfj.or.jp/higo-hosokawa/shouseikaku/ という旧細川家の建物があります。平成28年に、保存・修復と耐震化・バリアフリー化等のリニューアル工事が完了したばかりだそうです。写真は、公園正門側から玄関と車寄せを見ています。この「松聲閣」は、増改築が繰り返されてきたとのことで、この不釣り合いなくらいに立派な車寄せも、後から付け加えられた部分とのことです。

s180509c.jpg 車寄せを広い玄関から見上げると、このような感じです。板目を活かした格子天井と太い4本の軒柱で、とても大きく立派な印象です。

s180509d.jpg 「松聲閣」の一部は、戦前の状態が残されており、建物の当該部分は"原型を重視した整備"を行ったとのことです。なので、庭園側からの見ると、2階建てのその部分だけは外壁も下見板張りで、伝統的な存在感が際立っています。一方、写真左側の平屋部分は、見た目も控えめにそっと現代の装いで、2つの建物が組み合わさったような折衷感が面白いです。都市部において、ビル再開発などで見られる、現在の法制度等に対応しつつ伝統的な建物を残す方法と同じなのかもです。

s180509e.jpg 復元整備された部分の2階"山茶花"は、このような田の字の和室です。障子・縁側の向こうに「肥後細川庭園」の風景が広がっていて、とても気持ちがいいです。

s180509f.jpg 「肥後細川庭園」の、神田川沿いの道の塀です。とてもきれいで落ち着いた雰囲気に整備されています。石張り風の道路に歩道を確保し、そこから塀を1.5mほどセットバックして、その空地部分を緑化や休憩のためのベンチスペースなどに整備しています。晴れ

-----
s180509g.jpg さらに同じ日の夕方、「文京シビックセンター」でやっていた、"文京の湯「銭湯GALLERY」6人の作家展"にも寄ってみました。「文京浴場組合」さん http://www.sentou-bunkyo.com/ が、昨秋に文京区内銭湯で開催された「銭湯MUSEUM」のコンパクト版なような感じでした。
 私は、(→”79_つくば美術館FINE ART展・浩乃湯足湯と消しゴムハンコ・意匠展”)の時に見させていただいた、廣瀬十四三さんのハンコが好きです。ハンコを拡大したパネルが展示されていて、写真の荒川区内の銭湯では、猫がいるハンコがいくつも展示されていました。

s180509h.jpg 行政施設の一画にあるただの展示室でも、6人の作家さんから醸し出させる、"銭湯"という独特な空気感が創り出されていました。

s180509i.jpg 会場で、昨秋のパンフと、「文の京 坂と銭湯 ゆったり巡り」という"ミウラ折り"http://www.miuraori.biz/ のガイドマップをいただきました。各銭湯さんの思いが伝わってきて、読み物として面白いですし、"ミウラ折り"の開閉もなんだか楽しいです。

s180509j.jpg 「文京シビックセンター」では、25階に「展望ラウンジ」に、時間が無く行けなかったのが少し心残りです。しかし、1Fからアトリウムのガラス越しに高層棟を見上げると、けっこう怖いですね…。モバQ

くらしデザインスタジオ@考(^^;)トップへ

posted by ki at 17:18| 色々と見て